2011年09月22日
実銃 千夜乙夜_ロシアントカレフ1935
Russian Tokarev 1935 (7.62mmTokarev)
Тульский-Токарева
皆様、こんばんは。
千夜乙夜第三夜は、『トカレフ』についてお話したいと思います。
正式名称はトゥルスキー・トカレヴァ(トゥーラ造兵廠・トカレフ)
ガバメントを簡素化して1929年に開発した『TT-1930』を
更に簡素化し、『TT-1930/33』となりました。
使用弾薬は7.62mm×25のモーゼル・ピストル弾。
WW2後に製造中止となったため、以後は
トカレフ弾と呼ばれることが多くなりました。
コピーが大量に存在し、中には9パラを使うものや
セフティを追加したものもあるそうです。
日本に密輸され、発砲事件や不法所持で問題になった事から
悪い意味で知名度の高い銃ですが、それらは殆どが
中国製のコピーと言われています。
私が今回撃たせてもらうのは、正真正銘ロシアの本物です。
見た目はご存知の通り、うーん…。生産性を重視した結果なのでしょうが
機能美もデザイン的な美しさもないです。
グリップも安っぽくて、見た目の仕上げとかも
ドイツ製やアメリカ製と比べると…(=_=;
撃ちにくそうだなぁ、と思いながら握ってみると、あら意外。
それなりにしっくりきます。
人間工学無視、生産性重視でデザインされたと思われた
真四角なグリップですが、そんなに握りにくくない。
部品のひとつひとつが、厚い手袋をしても使えるように考えられているせいか
女性の小さい手でも扱いやすい気がします。
オールスチールのため、ずっしりした重たい感じがします。
装弾数は8発。
ボトルネックのトカレフ弾は初速が高く、貫通力が高いと言われます。
実際には、貫通力は他の同等の弾薬と比べて大きな差はなく
貫通力については、鉄を心材に使った安価な弾が多く出回ったために
生じた誤解のようです。
マガジンを入れて、スライドをガッチャン、と引きます。
思ったよりスムーズに引けることに驚きます。
もっと重たそうだと思ったのですが。
ハンマーは起きた状態。
みなさまご存知の通り、トカレフにはセフティはありません。
ダブルアクションでもありません。
スライドを引いたら、撃つか、ハンマーをそっと戻してハーフコックにするか
マガジンを抜いてチャンバーから装弾を抜くかのどれか。
どっちにしても携帯には向いてませんね(=_=;自分撃っちゃいそう…。
実射します。
トリガーは遊びは無く、引きやすいです。
元となったガバメントの恩恵でしょうか。
撃つと、固い反動がダイレクトに手のひらにくる感じです。
ただ、思ったよりも撃ちやすいのにびっくりしました。
はっきりいって、びっくりするくらい予想外です(@_@;
マガジンキャッチも押し易いし、部品のひとつひとつは
見た目と違って扱いやすいです。
ターゲットにもよく当たります。
安全面は最低ですが、訓練された兵士が戦場で使うなら十分
それどころか、もしかしたらとっても優秀な銃なのかもしれません。
部品点数が少ないので故障も少ないそうです。
また、フィールドストリッピングでかなりの分解が可能なので
部品の交換も容易とのこと。
整備が良かったのもあると思いますが、レンジでの実射中では
作動不良も全くありませんでした。連射しても疲れません。
いま、『撃ちやすい拳銃を5つ上げる』としたら
トカレフは確実にランクインします!
携帯する気には、絶対にならない銃ですが…。
徹底的に簡略化された設計と荒い工作精度とが、過酷な状況では
確実性に繋がる場合がある、という意味ではAKと同じなんですね。
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もっとも、どの銃も携帯する事なんてないですけどね。
貫通力に関しては日本での報道ほどではないのではないか、と思ってはいたけど、やはりですね。
銃弾のカートリッジがサブマシンガンのPpsh41と共通とも聞きますし、もしかしたら密輸の際に混同されたのかもしれませんね。
トカレフが高い貫通力を発揮するのは、弾丸の被甲が、ギルディングメタルではなく、軟鋼であるため、弾着に伴う弾丸の変形が小さいこと、高初速であるためです。
と、滋賀県の某防弾材メーカーの課長が、申してました。
難易度Cの鉄棒種目ですね\(^o^)/
はい、冗談です。
LAの屋外射撃場でマカロフを使っていた人がいました。
一緒にいた人が借りて撃ったのですが、一言、撃たない方がよかった。
残念、次に借りて撃ちたかっのに・・。
良い経験しましたね。